11月29日(火)九州電力山川地熱発電所視察

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【九州電力山川発電所】
九州電力山川地熱発電所は、鹿児島県薩摩半島の南島端に位置し、琉球との貿易やカツオ漁業の基地として古くから栄えた港町に建設された。地域的には霧島屋久国立公園に近く指宿などの温泉観光地に隣接している。発電所周辺は海岸に近くの田園内に建設され、非常に長閑な景色のところである。
《山川発電所概要》
出力 30,000kw
タービン形式 単気筒単流衝動反動型腹水タービン
蒸気条件 0.98MPa/183.2℃
気水分離器 竪型サイクロン式
冷却塔 機械通風式向流両吸込型
発電機形式 横置円筒回転界磁形同期発電機
発電機容量 34,000KVA
発電機電圧/回転数 11,000V/3,600min-1
蒸気井 12本
還元井 11本
営業運転開始 平成7年3月
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 全国で地熱発電所は18か所あり、九州では3番目、全国では7番目に建設された地熱発電所である。全国の地熱発電所の分布は九州・東北地方に集中していて、関東・関西圏には八丈島にあるだけで地熱発電所は存在しない。
地熱発電所のメリットとしては、①純国産エネルギー ②発電時に燃料が不要 ③二酸化炭素排出量の抑制 ④再生可能エネルギーで、半永久的に安定して利用可能とされている。二酸化炭素の排出量は、水力発電の次に有利で、石炭火力発電の約100分の1程度になる。自然エネルギーの中でも天候などに左右されにくいために、発電出力が安定していること、設備の利用率が高い。既に、開発されている技術で、経済性が高い。バイナリー発電技術により、比較的低温の熱源でも利用が可能である。
地熱発電のマイナス面は、①火山が国立公園などの近隣が多く、開発が困難 ②建設予定地の地域住民の理解が得難い(温泉などに関する影響懸念) ③開発規模が小さくスケールメリットを得にくい ④開発までのリードタイムが長い(山川18年) ⑤抗井採掘、送電設備等の初期投資が大きい(山川約300億円) ⑥他の地下資源と違い、長距離輸送ができない。などである。
スケールメリットの少ない発電設備としても山川発電所の敷地はかなり広く、この程度の施設も箱根では建設が不可能に思われる。まして国立公園内の建設はかなりの困難を要する。低温度の発電施設となるバイナリー方式の発電に関して、規模も小さく熱量も低くなるので、検討の余地があると思われる。九州電力としても今後「三島村」「利島村」などの離島にバイナリー方式の発電所を実証試験中である。この方式の今後を見据える必要はあるように思われる。
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